2010年頃から3Kのイメージ脱却
IT業界は長時間労働を強いるブラック企業が多く、給料も安いといったイメージがあり、3Kだと嫌がる人は少なくありませんでした。
しかし、業界全体の取り組みによって2010年ごろから3Kが持つネガティブなイメージを脱却しており、現在では実際にIT業界で働くエンジニアの多くは世間が持っている3Kのイメージとは異なる見解を持っています。
休暇の取りやすさや職場の雰囲気に高い満足度
IT業界で働く人材に対してIPAが行った職場環境に関する満足度調査によると、多くの人は職場の雰囲気に対して高い満足度を持っているだけでなく、プライベートと仕事の両立がしやすいと感じていた李、休暇を取りやすいと評価する人が多くいることが分かりました。
特に若い世代の間では、休暇を取りやすいかどうかが企業に対する評価の分かれ目になることは多く、IT業界では比較的休暇を取りやすい企業が増えていることがこの調査で明らかになったわけです。
働くエンジニアの満足度が高いことは、業界全体の取り組みによる成果だともいえます。
しかし、職場環境改善の要因はそれだけではありません。
2010年頃からIT業界だけではなく日本社会全般的な景気低迷が続いており、IT業界でも案件減少による業務量が軽減が起こっています。
それが結果的に、エンジニア達にとっては働きやすい職場の整備につながったと考える見方もあります。
将来のキャリアに不安を持つ人は多い
従来と比較して、IT業界で働く人材の満足度が全体的に底上げされたことは、業界にとっても人材にとってもプラスと言えます。
しかしそうした中でも、将来のキャリア構築という点で不安を持つエンジニアは少なくありません。
現在の仕事には前向きに取り組んでいるけれど、将来のキャリアを考えると漠然とした不安に襲われると感じる人が多いのです。
満足度は上がっているのに不安が消えないという現象は、利益追求型の企業が社員に対してそれなりの待遇を準備しても、エンジニアたちの不安を完全に消すことはできませんし、エンジニアたちを幸せにすることもできないことを証明しているのかもしれません。
働く側が抱えるこうした不安は、IT業界で働くエンジニアだけでなく、多種多様な業界に携わる多くの人が同じような不安を抱えています。
社会の景気が悪く、全体的に先行きが見えない不透明な時代においては、こうした現象は決して珍しくありません。
そうした中でも自身のキャリアに対する将来的なビジョンを持つことは大切ですし、そのためのスキルアップやキャリアアップに果敢に取り組むことも必要な作業と言えるでしょう。
まずは従業員と企業との対話、そして長期的なキャリアラダーの作成から始めてはいかがでしょうか。