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下請法を理解しておこう

知らなかったでは済まされない法律「下請法」

働き方改革によって、個人でも企業から案件を受注できたり、下請けとして働ける機会が拡大しました。
そこで知っておきたいのが、下請法です。
案件を発注する企業側も、また受注する下請け型にとっても、下請法は「知りませんでした」では済まされない法律です。

例えば、受注した案件を納品し、顧客から「追加でこの機能も付けてください」という依頼があったとしましょう。
最初の契約で約束していた機能ではなく追加なのですから、常識的に考えれば追加機能には追加で料金が発生することになります。
しかし、料金は払いたくない、無償でつけなければ納品として認めないし契約金も払わないというトラブルが起こることは少なくありません。
これはすべて、下請法を理解していないことが原因で起こるトラブルなのです。

下請法とは

下請法とは、一言で言うなら下請け業者の利益を守るための法律です。
案件を発注する企業と受注する下請け企業とでは、どうしても不公平なパワーバランスが生じてしまうことが少なくありません。
それを法律によって禁止して、下請け企業の利益と権利を保護しようというのが下請法の目的です。

下請法によって定義される下請け企業は、企業でなければいけないというルールはなく、案件を受注する個人も対象となります。
ただし、案件を発注する側と受注する側とでは、資本金の面でいくつかの条件があり、条件を満たす場合にのみこの下請法が適用されます。

具体的には、案件を発注する親企業の資本金が3億円超の場合には、下請法が適用される下請け企業は資本金3億円以下の企業および個人、が対象となります。
親企業の資本金が1千万円以上3億円以下の場合には、下請け企業の資本金は1千万円以下なら下請法が適用されます。

起こり得るトラブルとは?

下請法では、下請け企業を保護するために、いくつかのルールが決められています。
これは、案件を発注する側と受注する側とで起こりやすいトラブルを反映しています。

親企業と下請け企業とで起こりやすい1つ目のトラブルには、契約書トラブルがあります。
なかなか契約書を出してくれなかったり、契約書がないのに作業だけをせかすというトラブルは以前から起こりやすいものでした。

2つ目のトラブルは、上記したような仕様変更や追加に対して無償での対応を要求するというトラブルがあります。
無償で対応しなければ納品を認めないと脅迫するケースも、少なくありません。

3つ目のトラブルは、支払い遅延です。
代金をなかなか払ってくれないというトラブルは以前から多いですし、現在でも決して珍しいトラブルではありません。
下請法では、納品日から60日以内に代金を全額支払わなければいけないと定められています。