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  2. 建設業界のキャリアアップ

電気工事士

工事用道具

建設業界において欠かせない職種の一つが「電気工事士」です。住宅やビル、工場などの電気設備を安全に整える専門家であり、資格を持つことで活躍の場が広がります。電気は日常生活や産業の基盤を支えるインフラであり、その工事や保守を担う電気工事士は社会にとって不可欠な存在です。ここでは、電気工事士の仕事内容やキャリアアップの可能性について解説します。

電気工事士の仕事内容と魅力

電気工事士の主な仕事は、建物に電気を安全に供給するための配線や設備の工事、メンテナンスです。コンセントや照明の設置から、工場における高圧電気設備の配線、太陽光発電やEV充電設備の導入に至るまで、業務範囲は非常に幅広いのが特徴です。

資格としては「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」があり、取り扱える工事の範囲が異なります。第二種は一般住宅や小規模店舗向けの工事が可能で、第一種はビルや工場など大規模施設に対応できます。資格を取得することで、施工できる工事の幅が大きく広がるため、キャリア形成において大きな武器となります。

また、電気工事士の魅力は「手に職がつく」点です。電気は生活に不可欠であり、景気に左右されにくい安定した需要があります。さらに、新しい技術の導入に関われるのもやりがいのひとつです。近年は再生可能エネルギーやスマートホームの普及により、電気工事の現場はますます進化しています。

キャリアアップの道と将来性

電気工事士としてのキャリアアップには、いくつかのステップがあります。

まずは現場経験を積み、第二種から第一種電気工事士へのステップアップを目指すのが一般的です。その後、施工管理技士や電気主任技術者といった上位資格を取得すれば、工事現場の責任者や管理職としての活躍も期待できます。資格を取得することで任される仕事の規模や責任範囲が広がり、収入アップにもつながります。

また、独立開業という道もあります。電気工事業の登録を行えば、自ら事業を立ち上げて工事を請け負うことができます。個人住宅から法人案件まで幅広い仕事に対応できるため、安定した収入基盤を築ける可能性があります。

将来性という観点では、電気工事士のニーズはさらに高まると考えられます。再生可能エネルギー設備の導入拡大、EVインフラ整備、IoTやスマートシティの普及など、新しい領域での仕事が増えているからです。従来の電気配線に加え、最新技術に対応できるスキルを身につければ、キャリアの幅は大きく広がります。

さらに、外国人労働者の受け入れや高齢化による人材不足が進む中で、有資格者の価値は今後ますます高まるでしょう。現場での経験を重ねつつ、新しい技術に挑戦する姿勢が、電気工事士として長く活躍するためのカギになります。

電気工事士は、生活インフラを支える重要な職種です。資格を取得することで活躍の場が広がり、キャリアアップや独立の可能性も開けます。再生可能エネルギーやスマート技術の普及といった社会の変化に対応しながらスキルを磨くことで、将来的にも安定した需要が期待できるでしょう。

「手に職をつけたい」「建設業界で長く働きたい」と考えている人にとって、電気工事士は大きなチャンスを秘めたキャリアパスです。

測量士

測量士

建設業界において欠かせない存在が「測量士」です。土地や建物を正確に計測し、設計や工事の基盤をつくる専門職であり、国家資格が必要になります。建設現場の裏方のように見えますが、実際には街づくりやインフラ整備を支える重要な役割を担っています。ここでは、測量士の仕事の実態やキャリアアップのポイントについて解説します。

測量士の仕事内容と魅力

測量士の仕事は、土地や建物、道路などを対象に正確な位置や形状を測り、図面やデータとしてまとめることです。近年はドローンやGPSを活用した最新技術が導入され、従来よりも効率的かつ高度な測量が可能になっています。

測量士の魅力は、建設プロジェクトの最初の基盤をつくる点にあります。正確な測量データがなければ、設計や施工に大きな誤差が生じ、後の工程に支障をきたすことになります。裏方でありながら「すべてのスタートを決める存在」といえるでしょう。

また、測量士の資格を取得すると独占業務が認められ、測量業務を行う上で大きな強みになります。国家資格という信頼性の高さから、就職や転職にも有利に働きます。

キャリアアップの道と将来性

測量士としてキャリアアップを考える場合、大きく2つの方向性があります。

1つ目は、建設会社や測量事務所に所属し、現場経験を積みながら管理職や技術責任者を目指す道です。現場測量だけでなく、CADを用いた設計補助やチームのマネジメントに関わることで、より上流の工程に携わることができます。

2つ目は、独立して測量事務所を開業する道です。国家資格を持つ測量士であれば、個人事業主や法人として測量業を営むことが可能です。建設需要が続く限り測量の仕事は必要とされるため、安定した需要が見込める点も魅力です。

将来性の面では、ICT施工やスマート建設の普及に伴い、ドローン測量や3Dスキャニングといった新しい技術への対応力が重要になります。デジタル技術を取り入れることで、従来の測量よりも効率的かつ高精度なデータを提供できるようになり、キャリアの幅も広がります。

さらに、測量士は公共事業や都市計画にも欠かせない職種です。インフラ整備や再開発プロジェクトが進む中で、社会全体に貢献できるやりがいのある仕事として今後も注目されるでしょう。

測量士は、建設業界の「縁の下の力持ち」といえる存在です。正確な測量データは、建設プロジェクトの安全性や品質を大きく左右します。国家資格の取得によって独占業務ができる点や、将来的な独立・起業の可能性も含め、キャリアアップの道が広がるのも大きな魅力です。
建設業界で専門性を高めたい人、街づくりや社会インフラを支える仕事に関心がある人にとって、測量士は大きな選択肢のひとつとなるでしょう。

土木でキャリアアップを目指す

まずは日々の業務でスキルを磨こう

建設業界には様々な分野がありますが、その中でも土木は未経験者でも採用されやすい分野の一つです。
未経験者の多くは現場で難易度のそれほど高くない基本的な作業から始めることになりますが、どのような基本的な作業でも、この業界でキャリアアップするためには必要不可欠な作業です。
日々の業務をこなしながらスキルアップをすることが、土木でのキャリアアップを目指したい人にとっては最初のステップと言えるでしょう。

土木に限らず、建設業界で知っておくべきスキルは一朝一夕で身につくわけではありません。
日々の積み重ねによって学ばなければいけませんし、さまざまな現場やプロジェクトを経験することにより、より難易度の高い業務に取り組めるスキルや経験値を身に着けることにつながります。
建設業界における作業でも、近年ではどんどん機械化やオートメーション化が進んでおり、効率化が図られています。
土木の分野でも例外ではありませんが、この分野においては機械化できない手作業が求められる部分がとても多く、今後も人の手作業に高いニーズが期待できます。

重機のオペレーターになるのもアリ

基本的な作業を経験して一定レベルのスキルを身につけたら、重機オペレーターになるというキャリアアップの方法があります。
土木現場においては、玉掛やクレーン作業など、重機の取り扱いが求められる現場が数多くあります。
こうした重機の取り扱いには専門的な免許や技能講習が必要となるものも多く、誰でも取り扱えるわけではありません。

重機のオペレーターとして資格を取得すれば、現場でオペレーターとして働くことができ、キャリアアップにもつながるでしょう。
重機はそれぞれ取り扱い方法が異なり、複数の資格や免許を取得することも可能です。

マネジメントを学んで管理者へ

土木現場では、現場を管理する現場監督がいます。
さらには、プロジェクトの設計やスケジュール、コストや人材管理などを幅広く全般的に管理する管理者もいます。
こうした管理職として働くためには、プロジェクトの全体的な流れを理解するだけでなく、一つ一つの作業の労力やかかる施工時間などにも精通していなければいけません。
多くの管理者は、それまで現場での作業に携わってきた人材です。
そう考えると、マネジメントを学ぶことで将来的には管理者としてステップアップできる可能性が期待できるでしょう。

マネジメントを学ぶためには、現場での経験やスキルが必要なだけでなく、施工管理技士や技術士と言った工事に関連した資格の取得がおすすめです。
中には、国家資格もあります。
資格を取得したら、その資格を生かせるような業務に携わったり、技術的な指導を行う職務を遂行できるようになります。
スキルアップにもつながりますし、現場でも高いレベルの人材という点で重宝されます。

多様な人材が活躍する建設業界へ

すでに女性の奪い合いが始まった!元請けの責任者が女性になる日も近い?

建設業界では現在、日本政府が掲げる「女性管理職が全体の30%を占める企業」を目指して取り組んでいます。
政府がこの目標を定めた2003年には、建設業界における女性管理職の割合は全体の9%程度しかありませんでした。
その後、取り組みを行ったものの、2012年の段階でも11%にしかなっていません。

その背景には、女性よりも圧倒的に男性が多い業界の特性がある他、少子化や人手不足など様々な問題が関係しています。
管理職の30%を女性にするためには、候補となる社員がそれ以上在籍していなければいけないわけで、企業としては新卒の段階から理系の女性に注目し、現在は新卒理系女子の奪い合いが行われている状態です。
今後この政府の取り組みに合わせて、建設業界では女性の管理者が増えると期待されています。
現在は大半が男性という元請けのプロジェクト責任者や管理者も、近い将来には女性が務めることになることでしょう。

元請けの責任者に女性を登用しようという案は、10年後を見据えた長期計画となっています。
プロジェクトの責任者には、業界のノウハウに精通している必要があると同時に、プロジェクトや人材を幅広く管理するスキルももちろん求められます。
そのための人材育成には約10年ぐらいかかるというのが、建設業界の見立てです。

女性や外国人など人材の多様化は企業の業績アップにも貢献

建設業界は、業界の特性的に、どうしても体力が必要な職種が多いものです。
また重機の運転ができることが必須のスキルとなっている職種もあり、これまでも女性より男性に適した業界だと考えられてきました。
しかし今後は、女性の管理職登用に加えて、企業の多様化に向けて女性や外国人などの人材も数多く雇用することが広く求められており、それは建設業界も例外ではありません。
この業界で多様性を進めるための対策法としては、非力な人でも務まる職種、また言葉の壁が不要な職種などを中心に多様性を勧めるのが賢明と言えるでしょう。

例えば建設現場には、建機のオペレーターというお仕事があります。
機械を操作するオペレーターは、体力面ではそれほどの力仕事となるわけではなく、力の弱い人でも十分に務まると考えられています。
すでに業界の中でも鉄筋業界団体は、女性の活躍を推進するプロジェクトとして女性の建機オペレーター育成に励んでいます。

業界の多様性を進めることは、それぞれの個性や価値観、性格などをプロジェクトに活かすことができるというメリットが期待できます。
細かい所に目が届く人もいれば、これまでのキャリアや背景などからどんな点に注意すれば良いかを理解している人がいるわけです。
多方向からプロジェクトに取り組むことによって、最終的な工期完成という目標にとっては、品質の向上につながったり人材のモチベーションアップにつながるなど、企業の業績アップにもプラスの影響が期待できます。

施工管理技士として海外勤務のキャリアチャンスを掴む

施工管理技士の海外派遣は多い

海外で働きたいけれどどんな仕事があるのか分からない、という人は少なくありません。
海外勤務のチャンスを持つ業界は数多くありますが、建設業界もそんな業界の一つです。
というのも、海外においてはアジアやアフリカを中心とした新興国で、インフラ整備のニーズが高まっています。
こうしたインフラの構築で活躍できるのは、建設業界です。
その中でもプロジェクトの管理を行う施工管理技士には、海外派遣のチャンスが期待できます。

また、インフラシステムを海外へ向けて輸入するプロジェクトも、政府主導で進められています。
これはグローバル経済における競争力を高めるための官民提携を推進するもので、建設業界においても現地で人材を発掘して育成するなどの役割を担っています。
施工管理技士は、こうした人材育成の面でも活躍できる職種なのです。

海外勤務するメリットとは?

施工管理技士が海外勤務することには、たくさんのメリットが期待できます。
まず1つ目のメリットは、語学力のアップです。
海外派遣の前にもある程度の語学力は必要不可欠なスキルですが、実際に現地で生活をすると、より生きた現地の語学力が身につきます。
海外勤務の期間が長ければ長いほど、高い語学力を修得できるでしょう。

2つ目のメリットは、帰国後のキャリアに活かせるという点です。
海外勤務をすると、語学力に加えて現地での文化にも精通することができます。
日本へ帰国した後には、グローバルな人材として活躍できるキャリア設計が十分に可能ではないでしょうか。

3つ目のメリットは、海外で生活できるという点です。
海外旅行のように短期間ではなく、現地で合法的に働きながら生活ができるため、海外で生活してみたいと希望する人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

海外で働くために知っておきたいポイント

施工管理技士が海外で働く際には、いくつかのポイントを知っておきたいものです。
まず1つ目は、就職したり転職するなら、海外勤務のチャンスがある企業を選ぶという点です。
建設業界の全企業が、社員を海外派遣するわけではありません。
やはり規模の大きな大手ゼネコンをはじめ、海外展開を行っている企業を選ぶ方が海外勤務のチャンスは高くなるでしょう。
すでに海外へ展開しているスーパーゼネコンをはじめ、海外事業を展開している企業、これから展開しようと計画している企業などもチャンスは期待できます。

2つ目のポイントは、キャリアプランを構築するという点です。
ただ海外生活を楽しむために海外派遣されたのでは、帰国後の転職や就職が難航するかもしれません。
海外で働く際には、必ず帰国後のキャリアプランを視野に入れたうえで、できるだけ実現に向けてプラスとなるような業務に取り組みたいものです。

建設マネジメントの重要性

建築業界における「建築マネジメント」とは

建設マネジメントとは建築業界における管理業務全般を意味しており、具体的には施工のスケジュール管理やコスト管理をはじめ、情報や品質管理、安全面における管理なども含まれます。
それだけでなく、職人をはじめとする建築業界に関わる人の人員管理についても建設マネジメントに含まれます。
建築施工の際には、マネジメントを担当する者が案件を企画する段階からプロジェクトに携わり、一つ一つの工程ごとに管理を行っていきます。
施工後の引き渡しまで建設マネジメントの担当者が責任を持って担当することによって、クライアントからの信頼を得ると同時に、自社の利益を確保できるというメリットが期待できます。

現在の建築業界では、職人の高齢化をはじめ若い人材が不足していたり、労働環境が過酷等、様々な問題を抱えています。
建設マネジメントによってこうした問題を解決に導くことも可能で、スケジュールの段階から無理のない工期設定をすることによって長時間労働を避けることができたり、スタッフの休日を確保することにもつながります。

建設マネジメントによって、解決できる問題は他にもたくさんあります。
効率的かつ効果的なスケジュール雪渓やコスト管理によって、プロジェクトの生産性を高めることができます。
例えばICTを活用することによって見積もりや測量の際に必要な書類の作成が時短できますし、マルチデバイス対応したクラウド業務管理システムを導入することによって、担当者や関係者がいつでもどこからでもシステムにアクセスできる環境も整備できるでしょう。

建築マネジメントで求められるスキルとは?

建設マネジメントを行うには、建築業界における幅広いノウハウと経験が必要となります。
そのため、まったく未経験の人が簡単に行えるマネジメントというわけではないのです。
しかし、いくら建築業界に精通していても、ただ管理するだけでは十分ではありません。
建設マネジメントには、若い人材の育成や建築業界を広くアピールすることなども目的として含まれているからです。

建設マネジメントに求められるスキルの1つに、人間観察力が挙げられます。
プロジェクトにかかわる一人一人をよく観察することによってそれぞれの状況を把握するとともに、問題を解決したりスタッフが働きやすい環境づくりを整備できるでしょう。
コミュニケーション能力も重要なスキルで、施工に携わる職人やクライアントと日常的にコミュニケーションをとることによってマネジメント担当者はより現場簿状況を把握しやすくなりますし、問題解決に取り組みやすくなります。

プロジェクトに情熱を持ち、熱意をもって業務に取り組むことも、建設マネジメントで必要不可欠なスキルの一つと言えます。
例えばスタッフに指示を出す際にも、自分はデスクから全く動かずに指示を出すだけでは人はついてきませんし、モチベーションのアップにもつながりません。
しかし、情熱をもって現場で分かりやすく指示すれば、スタッフのやる気アップが作業スピードにもプラスの影響を与えることでしょう。

施工管理技士

施工管理技士の仕事内容

施工管理士の仕事とは、その名のとおり施工の全体を管理することです。
施工管理士が工事現場で施工作業を行うわけではありません。
現場を含む全体を管理することが求められます。

具体的には、施工計画を立て、スケジュールを作成し、スケジュールに沿って工事を実行することになります。
それに伴い、品質管理や安全管理が必要なことももちろんです。
したがって非常に責任の大きな仕事であり、施工現場の規模によっては一人ではなく複数の施工管理技士が担当することもあります。

施工管理技士に必要なスキル

1級施工管理技士と2級施工管理技士という国家資格があります。
しかし、国家資格がないと施工管理技士の仕事ができないわけではありません。
実際、求人情報には資格や経験の有無を問わず施工管理技士を募集しているものもあるほどです。
ただし、施工管理技士資格があることでどんなスキルを持っているかを客観的に証明できるため、建設業界で働くなら取得しておきたいと言えるでしょう。

どんな工事に携わるかによって、施工管理技士資格は6種類に分かれます。
たとえば、建設機械施工管理技士や電気工事施工管理技士、造園施工管理技士などです。
建築現場で重宝されるのは建築施工管理技士でしょう。
建築施工管理技士資格には1級と2級がありますが、扱える工事現場に制限がない1級に対して、2級には制限があります。

特定建設業とされる7つの業種を行うには、専任技術者、もしくは監理技術者が営業所ごとに必要ですが、1級施工管理技士資格があると、どちらのポジションにも就くことが可能です。
資格以外では、現場全体の管理を行う仕事ですからマネジメントやリーダーシップのスキルが求められるでしょう。
論理的かつ慎重な思考力も必要です。

施工管理技士になるには

施工管理技士になるには、施工管理技士資格を取得するのが近道です。
ただし、施工管理技士資格を取得するには国家資格を受験して合格しなければなりません。
1級も2級も取得するには実務経験が必要なので、いきなり試験を受けることはできないことに注意してください。
実務経験として必要な期間は最終学歴次第ですが、大卒の場合でも、2級取得には対象学科卒業後1年以上の実務経験が条件です。

したがって、将来、施工管理技士資格を取得して施工管理技士として働きたいなら、まずは建築業界に技術者として就職することを目指しましょう。
社内で働きながら経験を積み、受験資格を得てから試験を受け、資格取得後キャリアアップするというのが一般的な流れです。
企業によっては、施工管理技士資格の取得費用をカバーしてくれるところもあります。
また、資格取得後は資格手当がつく企業が多いので、収入アップのメリットも大です。

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは

建設キャリアアップシステム(CCUS)の内容

建設キャリアアップシステム(CCUS)とは、2019年4月から運用されている制度で、建設事業者や技能者の情報を登録しそれによって適正な評価や負担軽減に役立てることを目的としています。
国土交通省によって推進されている建設業界でのキャリアアップの仕組みです。
CCUSを利用するには、まず必要な情報をシステムに登録する必要があります。
登録する具体的な内容は、事業者の場合、商号、現場名、工事内容など、技能者本人の場合、保有資格や社会保険への加入状況など本人情報です。

情報を登録すると、技能者本人はキャリアアップカードという個人用カードが発行されます。
そのカードを就業現場のカードリーダーに通し、「この現場で就業した」ということを記録する仕組みです。
蓄積されたデータは、客観的な基準のもと技能者の評価やレベル分けに役立てられます。

国土交通省によると、CCUSの導入初年度に技能者100万人を登録、その後5年で全員(約330万人)を登録することを目指しているとのことです。
また日本人だけでなく、2020年から外国人技能実習生の登録も義務化することが決まりました。
したがって、建設業界ではこのシステムに早急に対応することが求められています。

建設キャリアアップシステム(CCUS)のメリット

CCUSのメリットの第一として、技能者のキャリアが可視化されることが挙げられます。
各技能者の保有資格や保険への加入状況など個人情報が就業履歴とともに記録されていくため、これまで適正な処遇を受けていなかった人も今後は適正は処遇に改善されることが期待できるでしょう。
もう一つのメリットは、若年層へのアピールです。
CCUSによって、自分の能力や経験を適正に評価されて確実にキャリアアップできることがわかれば、これまで3Kと敬遠されていた建設業界を多くの若者が志望するようになるでしょう。

また、建設事業者の負担が軽減されることもCCUSのメリットです。
従業員の保有資格や社会保険の状況が一目で確認できるようになるため、現場での管理の効率がアップすることが期待されます。

建設キャリアアップシステム(CCUS)に申請するには

建設事業者と技能者本人によって詳細は若干違いますが、申請方法はどちらもインターネット、郵送、窓口の3つ用意されています。
また、どちらも登録料を支払う必要がありますが、更新期間が事業者と技能者で違うことに注意しましょう。

事業者は5年更新で、支払うべき登録料は資本金によって決まります。
一方、技能者は10年更新になり、窓口と郵送での申請の場合、3,500円かかりますが、ネット申請だと2,500円です。
その後、事業者には事業者IDが、技能者には技能者IDとキャリアアップカードが発行されます。