すでに女性の奪い合いが始まった!元請けの責任者が女性になる日も近い?
建設業界では現在、日本政府が掲げる「女性管理職が全体の30%を占める企業」を目指して取り組んでいます。
政府がこの目標を定めた2003年には、建設業界における女性管理職の割合は全体の9%程度しかありませんでした。
その後、取り組みを行ったものの、2012年の段階でも11%にしかなっていません。
その背景には、女性よりも圧倒的に男性が多い業界の特性がある他、少子化や人手不足など様々な問題が関係しています。
管理職の30%を女性にするためには、候補となる社員がそれ以上在籍していなければいけないわけで、企業としては新卒の段階から理系の女性に注目し、現在は新卒理系女子の奪い合いが行われている状態です。
今後この政府の取り組みに合わせて、建設業界では女性の管理者が増えると期待されています。
現在は大半が男性という元請けのプロジェクト責任者や管理者も、近い将来には女性が務めることになることでしょう。
元請けの責任者に女性を登用しようという案は、10年後を見据えた長期計画となっています。
プロジェクトの責任者には、業界のノウハウに精通している必要があると同時に、プロジェクトや人材を幅広く管理するスキルももちろん求められます。
そのための人材育成には約10年ぐらいかかるというのが、建設業界の見立てです。
女性や外国人など人材の多様化は企業の業績アップにも貢献
建設業界は、業界の特性的に、どうしても体力が必要な職種が多いものです。
また重機の運転ができることが必須のスキルとなっている職種もあり、これまでも女性より男性に適した業界だと考えられてきました。
しかし今後は、女性の管理職登用に加えて、企業の多様化に向けて女性や外国人などの人材も数多く雇用することが広く求められており、それは建設業界も例外ではありません。
この業界で多様性を進めるための対策法としては、非力な人でも務まる職種、また言葉の壁が不要な職種などを中心に多様性を勧めるのが賢明と言えるでしょう。
例えば建設現場には、建機のオペレーターというお仕事があります。
機械を操作するオペレーターは、体力面ではそれほどの力仕事となるわけではなく、力の弱い人でも十分に務まると考えられています。
すでに業界の中でも鉄筋業界団体は、女性の活躍を推進するプロジェクトとして女性の建機オペレーター育成に励んでいます。
業界の多様性を進めることは、それぞれの個性や価値観、性格などをプロジェクトに活かすことができるというメリットが期待できます。
細かい所に目が届く人もいれば、これまでのキャリアや背景などからどんな点に注意すれば良いかを理解している人がいるわけです。
多方向からプロジェクトに取り組むことによって、最終的な工期完成という目標にとっては、品質の向上につながったり人材のモチベーションアップにつながるなど、企業の業績アップにもプラスの影響が期待できます。