清掃関連の仕事の中でも特殊性の強い事件現場特殊清掃士
清掃業界は、様々なタイプの現場があり、それぞれに異なるスキルや資質が求められます。
一般的なビルやオフィスの清掃や個人宅の清掃、新築住宅やリフォーム物件の清掃などが一般的ですが、やはり微妙にそれぞれ違った仕事の仕方をします。
それに加えて、かなり特殊な清掃業務もあり、そこではさらに異なるスキルが求められてきます。
その代表と言えるのが、事件現場特殊清掃士という仕事でしょう。
この事件現場特殊清掃士とは、自殺や孤独死、殺人事件などが起こった住居などを清掃するというものです。
そのため、汚くなった場所やモノを掃除するというだけでなく、死体の後に残ったものを清掃する必要が出てくるのです。
死臭に耐えることができないといけない
なんらかの事件に巻き込まれて死者が出た場合、その現場には血液や体液、それを求めてくる昆虫などがあります。
そして、ご遺体が発する死臭というのは、かなり強烈なものがあり、通常はなかなか耐えられるものではありません。
そのため、事件現場特殊清掃士として働くためには、事件現場特有の汚さと共に、死臭に耐えられるということが大きな条件となってきます。
もちろん、実際の作業をする際には、特殊なマスクを装着することになりますが、どうしても完全にはシャットアウトできませんし、作業着などに臭いが付着してしまうこともあります。
事件現場特殊清掃士として働くためには、何らかの公的な資格が必要になるわけではありませんが、この条件をクリアできないと厳しいでしょう。
事件現場特殊清掃士を求めているところでは、あらかじめこのことについての質問を求職者にして、本当にやっていけるかどうかを尋ねることがほとんどです。
実際に現場を体験してみないと分からないということもありますが、あらかじめこの条件についてはしっかりと認識しておくようにしましょう。
給料が高めなのがメリット
このように、事件現場特殊清掃士は、特別の資格がなくてもできるものの、その現場の特殊性ゆえに誰でもできる、もしくは続けられるというわけではありません。
そのため、一般的な清掃業よりも、給料水準が高めとなっています。
今では、事件現場特殊清掃を行う会社が多くなっているということもあって、だいぶ給料水準が下がっていますが、それでも一般清掃よりも2、3割以上は高い給料が提示されることが多くなっています。
ご遺体があった場所をきれいにして、住居のオーナーやご家族のもとに返すという仕事は、誰にでもできる仕事ではありません。
社会的にも意義のある仕事ですし、それを求めている人もいますので、責任感を持って仕事ができるというのもメリットの一つと言えるでしょう。