建築業における新3Kとは?
建築業界では、新3Kの取り組みを行っています。
従来の3Kはネガティブなイメージがありますが、新3Kではポジティブなイメージへ転換することを目的としています。
建築業界において新3Kの取り組みが行われ始めた背景には、労働者の高齢化や若者の建築業界離れ、そして離職率の高さといった問題が挙げられます。
建築業界をけん引してきた職人たちは、全体の30%以上はすでに55歳という高齢化が進んでいます。
その一方で29歳未満の若い人材は全体の10%にも満たず、今後の人材育成が懸念されているのです。
さらに、建築業界で働き始めても止めてしまうなどの離職率が高い点も、将来の建築業界にとっては大きな不安材料と言えるでしょう。
離職率の高さは、建築業界だけに限ったことではありません。
しかし、長期間にわたって従来の3Kというイメージがあった建築業界においては、迅速にイメージの払拭及びポジティブなイメージへの転換が求められています。
従来の3Kとの違い
従来の3Kと新3Kには、大きな違いがあります。
従来の3Kは「汚い、キツイ、危険」という要素で、これらの要素をすべて含む建築業界はネガティブなイメージを持つ人が少なくありませんでした。
しかし新3Kでは、「休暇、給与、希望」というポジティブなKワードをアピールすることによって、建築業界における若手の育成や人材獲得に尽力しています。
新3K「給与・休暇・希望」それぞれの取り組み
新3Kの1つ目の要素「給与」に関しては、労務費見積もり尊重宣言を出し、下請け業者から提出された労務費の見積もりを尊重しようという動きが進んでいます。
これにより、下請け企業に携わるスタッフの給与を確保することにもつながるでしょう。
さらに建設キャリアアップシステムの義務化を図り、建設業界でキャリアを積むためのキャリアラダーやキャリアモデルなどの普及に努めます。
2つ目の「休暇」は、週休2日を確保できるような工期設定や、経費の補正への取り組みを行います。
2024年から時間外労働に対する上限の規制が始まるため、工事の計画から調整などの体制づくりが急ピッチで進められています。
3つ目の「希望」とは、i-Constructionの推進です。
これは必要経費をしっかり形状するだけでなく、工事に対する総合的な評価や成績評定に加減点を取り入れることによってICT施工をすすめようという取り組みです。
建築業界で新3Kを実現するためには、業界全ての業者が一丸となって取り組みを推進しなければいけません。
労働環境を整備することによって若い人材に対してポジティブなアプローチが可能となり、業界に興味を持つ人材を獲得しやすくなるでしょう。